富岡直子 resonance II
広本伸幸
resonance I とresonance IIとは、いわゆる連作である、シリーズ作品ともよばれる。クロード・モネの「積み藁」や「睡蓮」のように同じ主題やモチーフによって制作された一連の作品のことをいう。
モネの場合は、一日の光の変化によってモチーフの移り変わる色彩をキャンバスにとどめようとした。そのため、白黒写真ではほとんど同じ絵にしか見えない「睡蓮」を十数点も描いたのである。
resonanceのI とIIでは、共通する要素は作品の大きさと使われている色だが、作品が発する光、全体的な雰囲気など、個々の作品は独立していても組作品あるいは対作品として、並べて展示したくなる作品となっている。またそうすることによって、個々の作品が持つ性質を強調しあい、相乗効果によって、一層空間の広がりが増すように感じられる。
農業で毎年同じ作物を繰り返し作っていると連作障害が生じるが、絵画の場合、連作は作品の出来不出来のむらを少なくする効果もある。富岡直子の作品では意識されていないが、絵画制作の品質管理、一種のTQCともいえる。そのことを一番意識していたのは、アンディ・ウォーホル、ロイ・リキテンスタインといったポップ・アートとミニマル・アートと呼ばれる黒一色の「ブラック・シリーズ」から華やかな立体作品へ発展させていったフランク・ステラ、この三人のアメリカのアーティストたちだった。
(@Gallery TAGBOAT Art Director)





